タルキールブロックの思い出を振り返る
2016年3月26日 Magic: The Gatheringなんか19日にバイト終わって20日に卒業式して21日に親戚で集まったその夜から下痢と高熱を伴う謎の病気(インフルエンザの検査は2回やって陰性でした)で倒れてたので今週のPPTQの予定がおじゃんになったのでもうやります。
僕がそもそもこのマジック:ザ・ギャザリングとかいう1年で2回引退してもやめられないやばいゲームを始めたのはテーロスと神々の軍勢のちょうど真ん中あたりなので、つまりこのタルキールブロックは最初から最後までマジックやってた初のブロックなわけですね。
マジック最大の悪役の一人、強大なる龍のプレインズウォーカー、ニコル・ボーラスに付き従うプレインズウォーカーの一人として、アラーラ・ブロックで登場したサルカン・ヴォル。ドラゴンに心酔する彼の故郷であったこの次元は、龍を滅ぼした人間が5つの氏族に分かれ、終わりのない戦いに明け暮れる次元でした。
・《先頭に立つもの、アナフェンザ》率いるアブザン家
・《血の暴君、シディシ》が支配するスゥルタイ群
・《龍爪のスーラク》のもと厳しい雪山での生活を続けるティムール境
・《悟った達人、ナーセット》のもとに集い修行を続けるジェスカイ道
そして《鐘突きのズルゴ》……じゃなかった、《兜砕きのズルゴ》が率いるマルドゥ族。
以上5つの氏族は、いずれもスタンダードで活躍しました……したんだ、うん。BFZブロックの参入による行き過ぎた多色化と除去の弱体化であやうく《はじける破滅》貸出専門店になりかけたマルドゥと、草の根レベルではそこそこいたけどプレミア・イベントの上位にほとんど現れなかったためにとうとう公式4コマにまでいないもの扱いされたティムールの話はやめよう。正直改めて5人並べるとズルゴくんのどうしようもなさばっか目立つけど、スーラクも値段は大差ないし再編された後のほうがトーナメントで活躍したところまで一緒だな! つか鐘つきに落ちたズルゴくん確か2連続プロツアー優勝デッキに入ってたな! なんだズルゴくんのがすごいじゃん!
……でもマジックストーリー初心者にマジックのストーリーの素晴らしさを伝えるのに最適な掌編のひとつ、あのクソコラ素材《熊パンチ》に隠された涙なしには語れない物語の主人公であるスーラクに比べると、ズルゴくんはストーリーでもわがまま勝手でカンの座を引きずり降ろされた挙句女に手を上げる情けないやつだったのでやっぱりマイナス一億万点。
というわけでこのまま勢いでストーリーについて語りましょう。
先ほど5人のカンを同列に紹介しましたが、実は《悟った達人、ナーセット》、鐘突き……じゃなかった《兜砕きのズルゴ》の二人と他の三人にはストーリー上大きな立ち位置の差があります。
前半の二人はサルカンと何らかの形で絡みますが、残りの三人はサルカンとは一切絡みません。絡みませんが、彼らの物語もまた、それぞれの氏族の、そして彼らのあり方を示すものとなっています。
「家族」を重んじるアブザン家のカンとして、個人的にも家族とは血のつながりなのか、それとも別の何かなのかという問題に直面することになるアナフェンザ。
一人前の男になるには一匹の熊を一人で狩ることを要求されるティムールの世界で育ったスーラクが出会った、種族を超えた友情物語。
そしてこれからの運命を暗示するかのようにマルドゥ家のゴブリンに冠を盗まれ、その奪還に躍起になるも結局叶わかったシディシ。
サルカンの物語=メインストーリーには彼らはほとんど絡みませんが、いずれも一族の長たるものに相応しい濃いものでした。
はい、というわけでサルカンの話に戻りましょう。サルカンの話の起点、つまり彼が《苦しめる声》を聞くようになり、龍のいない故郷・タルキールの帰ってきた理由は、実はゼンディカー・ブロックの物語にあります。彼はゼンディカーで、ニコル・ボーラスの命令によりエルドラージの封印に関わる重要場所である《ウギンの目》を警護することになります。そう、「ウギン」の目です。この地点では当然ウギンは亡き者なわけですが、あるいはこの場所にはウギンの残留意思のようなものがあったのでしょうか、タルキールの出身である彼はこの場所に関わったことにより、ウギン、あるいは滅びに向かうタルキールの救いを求める声を聞くようになります。
そして故郷のタルキールに帰ってきたまではよかったのですが、当然手がかりなんてものはろくになく、途方に暮れてしまう彼でしたが、《悟った達人、ナーセット》との出会いにより急展開を迎えます。 ジェスカイ道の保管する古文書からこのタルキールという次元の歴史、そしてプレインズウォーカーの存在をも知っていた彼女との出会いにより、サルカンはこの次元の特異点《精霊龍の墓》へと導かれます。しかしそこにかつてサルカンの灯が目覚めた際に復讐に燃える《兜砕きのズルゴ》が登場、心身ボロボロで戦いようのないナーセットがこれを引き受け戦うも、力及ばず殴り殺されてしまいます。その光景に後ろ髪を引かれながらも、サルカンは次元の歪みへと飛び込みます。
――するとどうでしょう、その先はなんと1000年前のタルキール。まだ人と龍が争っていた時代です。そこでサルカンは見覚えのあるマークを雪山につけて回る当時のティムールのカン、《龍爪のヤソヴァ》に出会います。ヤソヴァの不興を買って死にかけたりしていたサルカンですが、そんなことは気にもせず始まる《精霊龍、ウギン》と《ニコル・ボーラス》の戦い。当然のようにこの次元の「龍の嵐」から生まれる龍たちを味方につけるウギンの優勢で戦いは始まりますが、ボーラスには秘策がありました。それはあのヤソヴァのつけて回っていたマーク――サルカンにとっては忘れもしない、ボーラスのマークでした。その力で龍たちを味方につけたボーラスは、ついにウギンを打ち倒してしまいます。このままでは死んでしまうであろうウギン――実際、元の歴史ではこのときの傷がもとで死んでいます――を、ボーラスにウギンがいなくなればお前たちは龍の脅威から逃れられると唆されたヤソヴァが止めるのも聞かず、サルカンは必死に介護し、なんとかウギンが回復するための繭を作ることに成功します。そしてこのときサルカンは自分の名前の意味を知ることになります。自分の名前、サル・カンが、カンの上に立つカン、「大いなるカン」という意味を持つことを。しかし彼は歴史を改変したことによってタイム・パラドックスの渦に巻き込まれ消滅します。
しかし、こうしてウギンが永い眠りにつきながらも生存し、龍を生み出す嵐が途絶えることのなかった1000年前のタルキールでは、龍が人を滅ぼしかねないほどの勢いで増え続けることになり、やがて人の氏族は滅びます。スゥルタイのカン、《黄金牙、タシグル》はカードでの圧倒的な活躍とは裏腹に若さゆえの傲慢さによりナーガたちの罠にかかり、《漂う死、シルムガル》の玩具に。アブザンのカン、《不屈のダガタール》はその名前とは裏腹に一番最初に龍に膝を屈し、《永遠のドロモカ》の嫌うアブザンの黒の要素をなすもの=先祖との霊的つながりを捨て、人と龍の共存の礎に。この影響で人間たちは氏族の垣根を超え結束しようとしますが、そのための会議に《黄金牙、タシグル》が《冬魂のオジュタイ》を呼んでしまったことによりジェスカイのカン《沈黙の大嵐、シュー・ユン》は氏族の歴史や伝統が隠された書物庫の鍵を密かに部下に託しながら、それを嫌うオジュタイに見せしめに殺されることになります。やがて《龍爪のヤソヴァ》率いるティムールはタルキール一の大食らい《世界を溶かすもの、アタルカ》のために狩りをする一団となり、マルドゥは《死に微笑むもの、アリーシャ》ではなく《嵐の憤怒、コラガン》について世界を戦いとともに駆け巡るように。コラガンが膝を屈することではなく「ただ、後ろについてくる」ことを求めているのだということに気づいたアリーシャの「私についてくるか、こないかだ」という台詞はとても印象的でしたね。
はてさてこうして人ではなく、龍が支配するように歴史が改変されたことにより、タルキールには龍と活気が戻ったのでした、めでたしめでたし――というのが今回スタン落ちする2エキスパンション、「タルキール覇王譚」「運命再編」分のストーリーのあらすじです。そう、こうしてみると、3エキスパンション1ブロック制から2エキスパンション1ブロック制の橋渡しをストーリーでも表現するために、改変される前のタルキールの歴史が描かれたエキスパンション「だけ」が今回スタン落ちすることがよくわかるわけです。美しい構造ですね。まあ長くなってきたしサルカンまさかの生存とプレインズウォーカーになったナーセットとの感動の再会は半年後にとっておこう。
ちなみにサルカンがタルキールの歴史を改変した影響はタルキールだけにとどまらず、チャンドラの過去は結婚式をぶっ壊すおてんば娘から両親《ピア・ナラーとキラン・ナラー》に愛されるも自身の特異な能力ゆえに迫害され両親を殺される悲劇のヒロインとなり、ニッサに至ってはゼンディカー、あるいはそこに住むエルフの幸せ「だけ」を考えるレイシストから、多元宇宙のあらゆる生命の守護者となることを誓う慈愛に満ちた精霊術師になります(最近気づいたんだけどBFZブロックのストーリーのキオーラのわがまま勝手な立ち回り、これ前のゼンディカーブロックの時のニッサだ)。あとリリアナがビッチじゃなくなりました。
脱線しかけましたが、そろそろカードの話をします。ギャラリーを見ながら、思い出深いカードの名前と、その思い出を上げていきましょう。
《爪鳴らしの神秘家》
登場時こそ《森の女人像》の影に隠れあまり活躍しませんでしたが、《死霧の猛禽》が登場したことで裏向きで出せるカードの役割が増えたこともあり、タルキール龍紀伝の登場後は、地味にパワー2とマナがフラッド気味になったあとに殴りに行きやすい数値だったこともあいまって赤緑ドラゴン、そして《旅するサテュロス》より安定して高マナ域へのジャンプがしやすく、また不足しがちな赤マナが出ることから赤緑信心で活躍し始めました。どっちかというと地味な方のこのカードを最初に持ってくることからわかるとおり、この辺は筆者の大好きで思い出深いデッキですね。テーロスのスタン落ち後はたまに登場するかしないかでしたが、最後には裏向きで出せることによって《反射魔道士》に強いマナ・クリーチャーとしてランプデッキを支えています。変異からのジャンプというロマンと2ターン目に出せ3色が供給できる安定感、そしてフレーバーが共存した良いカードでした。マナクリかくあるべし。あと実はイラストが可愛い
《血の暴君、シディシ》
なんつってもそりゃゲームデーとはいえSE(決勝トーナメント)ある大会で初めて優勝したデッキの主力ですからね。思い出深いに決まってますよ。4マナ多色にして3/3というスペックは一見パンチ不足にも見えますが、もちろんその能力は協力。召喚時と攻撃時に3枚のカードをデッキから墓地に落とすことが出来るだけでなく、ライブラリーから墓地にクリーチャー・カードが落ちた場合(なんと他のカードの効果でも!)2/2のゾンビ・トークンを召喚します。これにより高い盤面制圧力を持つだけでなく、探査や《エレボスの鞭》のサポートまでやってのけたり、十分なマナが確保できたあとの《サテュロスの道探し》君に仕事を与えてくれたりします。暴君という割に慈悲深いお方ですね。《黄金牙、タシグル》との1000年の時を超えたシナジーは思い出深い。
《黄金牙、タシグル》
というわけで次は彼です。プレイヤーには横のバナナを散々ネタにされ、ストーリーでは情けなさに情けなさを上塗りするダメダメっぷりを披露したあげく《漂う死、シルムガル》のペットから《龍王シルムガル》のネックレスになるなどネタには困らないキャラだった彼でしたが、それとは裏腹に発売直後にモダンで行われたプロツアー「運命再編」では大活躍。《包囲サイ》の登場によってトップメタとなった「アブザン」で衰微でも稲妻でも落ちない軽いクロック兼アド源として大活躍する彼の姿には誰もが興奮したでしょう。もちろんスタンダードでもスゥルタイだけでなくアブザンの一員として大活躍。こんな情けない彼ですがあの《包囲サイ》にも負けません。一体どうなってやがる。
《包囲サイ》
というわけでタルキールブロックで最も印象深かったカードに挙げる人も多いであろうこのアブザンの軍獣が満を持して登場です。いい機会なのでもう一度スペックを見返してみましょう。
(1)(緑)(白)(黒)
クリーチャー ― サイ
トランプル
包囲サイが戦場に出たとき、各対戦相手はそれぞれ3点のライフを失い、あなたは3点のライフを得る。
4/5
うーん、改めて見るとやっぱりシンプルなテキストですね。テキストの短いカードは強い!
緑の要素=トランプルと高いマナレシオ
白の要素=ライフ回復
黒の要素=ライフルーズ
という3色の強い部分をみっちり吸収し、ライフ関連に至ってはCIPという最も効率のよい方法で発揮できるようになった結果、考えれば考えるほど頭のおかしいカードが誕生しました。アグロには壁として立ちはだかったあげく回復までし、ミッドレンジにはライフレースを否定することで絶対的な対処を要求し、コントロールはライフを3点までライフを詰められないプレイ・あるいは詰められた後は打ち消しを強要する。その高すぎるスペックはモダンでも遺憾なく発揮され、「何でもできるが決め手にかける」ドランカラー――アブザンが登場するまでのよく使われていた緑白黒の三色の呼び名です――のデッキを「アブザン」「BGW」としてトップメタに押し上げ、相性のあまりにも良すぎた《出産の殻》を《宝船の巡航》《時を越えた探索》というタルキールブロック2大やらかしとともに禁止に追い込みました。もちろんスタンダードでこんな強いカードが活躍しないわけがありません。最初のプロツアー「タルキール覇王譚」に「アブザンミッドレンジ」「アブザンアグロ」というその後ほぼ一年半ずっと居座り続ける2つのアーキタイプに当然のように4投され、《カマキリの乗り手》やその他軟弱なクリーチャー共を踏み潰して王座を手にし、その後の「運命再編」では残念ながら《欠片の双子》に阻まれ優勝は叶いませんでしたがこの軍獣を駆ったプレイヤーの成績は全体で見れば十分すぎるものであり、環境が様変わりしたかと思われたプロツアー「タルキール龍紀伝」「マジック・オリジン」TOP8にもやっぱりいました。ちょうどこのカードが活躍した頃に結果を残し始めた市川ユウキプロや山本健太郎プロ、そしてプロツアー「戦乱のゼンディカー」で久々の日本人プロツアーチャンプとなった滝村和幸プロといった日本人プロ・プレイヤーの愛用するカードでもありました。他にも津村健志プロや高橋優太プロなど、このカードとともに栄光を勝ち取った日本人プロ・プレイヤーを挙げればきりがありません。というか登場後のプロツアーではプロツアー「エルドラージの冬」……じゃなかった、「ゲートウォッチの誓い」以外全部でこのサイを4投したデッキがTOP8に入賞してますね。すごい。
筆者も強いリアニ先として投入する向きもあったシディシウィップでこそ使わなかったものの、マナクリスタートのデッキがほぼ成立しなくなった後のBFZスタンでは大変お世話になりました。こいつのおかげで勝ったり負けたりした回数は数えきれません。主に負けた回数ですが。
しかしそんな強すぎる彼もスタン落ちに逆らうことは許されません。しかしこれからもモダンを踏み荒らす……ことももうないのかもしれないなあ。モダンどうなっちゃうんだろうなあ。
と、脱線しかけたところで最後にこのサイにつけられたフレーバー・テキストを書き記して締めとしましょう。
アブザンの軍獣が到来するだけで、敵は統制を乱して逃走を開始する。
《先頭に立つもの、アナフェンザ》と《ラクシャーサの死与え》《始まりの木の管理人》《アブザンの魔除け》といったアブザン・アグロのゆかいな仲間たち
アナフェンザ。3マナ4/4とかいう包囲サイもびっくりのマナレシオに何を思ったのかマローは味方をパンプする能力と墓地対のテキストをくっつけた。カンの中で唯一一年半通して使われた。つよい。
死与え。《森の女人像》《クルフィックスの狩猟者》を乗り越えることが課題だったタルキール初期の環境でそれらを乗り越えられる2マナクリーチャーとして活躍した。でも彼の活躍は実は《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》に支えられていたんだ……
管理人。《羊毛鬣のライオン》の後釜は他でもないこいつだった。1マナであることや、最終的には無限に大きくなることからTHS~FRFの頃からアブザンアグロ特有のタップインタップインスタートの問題や除去の少ないクリーチャーデッキに対する回答の一つとして活躍していた。そのあとBFZで安定性とアンタップインを両立した強すぎる土地基盤を手に入れ、1t管理人2tパンプ3tアナフェンザ4t包囲サイというクソゲーを生み出した。
アブザンチャーム。緑の能力は自由な2個の+1カウンター割り振り、白の能力はパワー3以上のクリーチャーの追放、黒の能力は《血の署名》。基本は除去として運用し、コントロール相手にはインスタントのドローとして運用し、それらと同時にコンバットトリックや引導火力にもなる。びっくりするほど無駄がない。無駄しかない《ティムールの魔除け》に謝れ。BFZ後は残った数少ないインスタントの超強い除去として《はじける破滅》とともにいろんなところで活躍してましたね。このカード(緑白黒)が《ゴブリンの闇住まい》(赤ダブシン)で再利用されるスタンダードってなんだったんだ。
《宝船の巡航》《時を越えた探索》
はい、というわけでここで青いカードが初登場、タルキールブロック最高のやらかしカード2枚です! ぱちぱち。
墓地は使い終わったカードを置く場所です、コストにしてはいけません。
これらカードがあった頃のモダンは実は一番多様性に富んだ時期だったので、僕は今のエルドラージしかいない環境に比べりゃ全然嫌いじゃなかったというかGP神戸2014と並んで一番思い出深い時期の一つですがこいつらが使えた唯一のプロプレイヤー中心のモダンをプレイするイベントであった2014年末の世界選手権はほぼ青赤系のデッキしかいなくて販促のためのショービズとしては最低だったので残念ながら禁止は妥当ですし二度と帰ってくることはないでしょう。レガシーでは《時を越えた探索》だけは許されたかと思いきやあっさり禁止になりました。多分この2枚を競技イベントでプレイすることは二度とないでしょう。
スタンダードではそんなすごい勢いで墓地が肥えないため引き過ぎた途端にゴミ2枚抱えて死ぬ運命が確定したりするのでまあ適切なバランスだったと思います。でも《ヴリンの神童、ジェイス》との相性はすごかったね。土壇場でコントロールやジェスカイが放つ《時を越えた探索》から飛んで来るフィニッシャーや引導火力にはみんな負けに負けに負けまくったことでしょう。
《残忍な切断》
きっともうこんな裏目が少なくて軽いインスタント除去はもう刷られないことでしょう。タルキールブロックで間違いなく一番使われた除去です。クリーチャーデッキばっか握ってますが実はマジックの一番の楽しみはインスタントをめぐる駆け引きだと思ってるのでインスタントの除去や火力が弱くなるのはとっても悲しい。
《消去》
お前に《クルフィックスの狩猟者》を追放されまくったことは忘れない。
《道の探求者》
ハゲ。《魂火の大導師》登場後は少しずつそっちに居場所を譲っていたけどすごく強かったハゲ。
ドヤ顔でおまえを《クルフィックスの狩猟者》でブロックして《マグマの噴流》撃たれて真顔になったあの日のことは忘れない。
《風番いのロック》
強襲で出た瞬間勝利をだいたい約束してくれるビッグ・バード。気がついたら値下がりしまくってたけどOGW後のスタンでは飛んでることが絶対正義だったので最後に大活躍しました。
《軽蔑的な一撃》
お前は今まで打ち消した《龍王アタルカ》と《精霊龍、ウギン》と《嵐の息吹のドラゴン》と《世界を喰らう者、ポルクラノス》の数を覚えているか?
構えやすく効果は劇的、しかし裏目も多いと、良い打ち消しでした。《マナ漏出》の下位互換みたいなもんだって話が出た時はたしかにって思ったけど。
《隠道の神秘家》
突然のリミテッド思い出枠。このめり込みハゲで獲ったゲームは数知れず(リミテッド限定
《頑固な否認》
グルールをティムールにする数少ない理由の一つでしたが最終的にエルドラージやアブザンに便利に使われてました。これからもモダンのサイドボードで《呪文貫き》枠を争うことでしょう。残念ながら僕はピアス派です。
《血に染まりし勇者》
アリストクラーーーーッツ!!! ウォーリアー!!!!
墓地利用要素のある戦士で色々居場所はあったけど《包囲サイ》《先頭に立つもの、アナフェンザ》《先祖の結集》には勝てなかったね。
《先祖の結集》《不気味な腸卜師》
やっぱりラリ―が板。良いデッキでした。
果たして《先祖の結集》はモダンの墓地メタの波を乗り越えられるか!?
《弧状の稲妻》
このカードを勘違いしてインスタントタイミングで撃ちこんだらソーサリーだと指摘されたことにより「使いやすく複数を殺しやすいカードは大体ソーサリー」マジックの原則を覚えました。
《火口の爪》
数少ないサイを焼ける火力。もちろん本体だって焼けちゃいます☆
《軍族童の突発》
実は龍紀伝の頃すごくアタルカレッドを愛用してた時期があったしゴブリンでBMO出たりもしたので結構思い出深いカード。もちろん殺された回数も数知れず。
《僧院の速槍》
あー忘れてた。《宝船の巡航》とともにモダンレガシーに颯爽と殴りこみをかけ、古いカードのテキストを覚えるのに必死な彼らにタルキールブロックで新登場した「果敢」というテキストを叩き込んだでであろうカード。
まず速攻。とりあえず出たターン1点。タフネスが2あるのもおかしい。
そしてオリジンで常盤木の仲間入りを果たした果敢。勢い良く本体に《稲妻》を叩きこめば彼女のパワーも上がり、《アタルカの命令》を撃てばその効果は倍。最後には《無謀な奇襲隊》との相性も特筆すべきものがありましたがいかんせん環境が悪すぎた。
しかしこれからも第二のデルバーとして、あるいは第二のゴブリンガイドとして、モダンやレガシーを先1フェッチ山から元気に走り回る彼女の姿が見られることでしょう。
《龍語りのサルカン》
主人公ですがカードとして残念ながら私は《嵐の息吹のドラゴン》派でした。手札でもドラゴンになれたらなあ。
でもまあ、4点飛ばす選択肢があるのは強かったです。サイはしね
あとこれ以上弱いプレインズウォーカーの奥義って多分未来永劫出ないと思う。だってティボルトより弱いんだぜ
《苦しめる声》
《僧院の速槍》さえなければタルキールブロック一番の赤の収穫だったかもしれない。赤いコンボデッキでドローを進められるのは強い。
これでもかというほど再録されてるのでスタンモダン問わずきっとこれからも赤いコンボデッキでちょこちょこ見ることになるでしょう。
《強大化》《ティムールの激闘》
つよい。探査すごい。スーパークレイジーズ―。
《部族養い》
バーン絶対殺すマン。下での活躍のが印象的
《硬化した鱗》
つよい。こいつが落ちることで実質的にお亡くなりになられるカード多数。
《荒野の後継者》
初期のアブザンアグロとBFZアブザンアグロにたまに混じってた凡人。グルールでも優秀なアタッカーだった。
そういえば2マナ3/3の狼男、こいつによく似てるな。
《わめき騒ぐマンドリル》
タルモ、デルバー、「マン」ドリル。これが新時代のモダン版「カナディアン・スレッショルド」
出産の殻でサクるとエリシュ・ノーンを出すことができるぞ。
《書かれざるものの視認》
3000円位無駄にした。
《グドゥルの嫌悪者》
リミテッドではめっちゃ好きだった
《軍族の解体者》
一体何が悪かったんだろうね。
《刃の隊長》《鱗の隊長》
戦士デッキって結局何が足りなかったんだ
《はじける破滅》
最後に一応マルドゥで使われてよかったね。
《死の激情》
リミテしてたら《恐ろしい徴兵》で相手の場に10体くらいクリーチャー並んだけどたまたま握ってたこれで勝った
《砂塵破》
リミテッドで強かった
初期アブザンミッドレンジのサイドにも不毛な戦いを終わらせるために入ってましたね
《ジェスカイの隆盛》
実はめっちゃ強かった。クリーチャー起こしながらパンプしてルーターってマナクリからマナ出してドロー撃つことを繰り返すには本当に本当に無駄のないテキストだ。しかもパンプするから勝てるし。
《ジェスカイの魔除け》《カマキリの乗り手》
無駄がない、強い
《死者の王、ケルゥ》
無駄しかない、サイクル中唯一の紙切れって恥ずかしくないの?
《凶暴な拳刃》
通称バイオゴリラ。スペックはやっぱり強い。だが赤青緑という3色なのにこの環境通してずっと除去が弱かった最低のカラーに生まれたのが彼の運の尽きだった。除去が弱いデッキはテンポで押しこむしかないのにタップインしてたら相手の対処が間に合って負けるんじゃ
《スゥルタイの魔除け》
忘れてた。これも実は思い出深いカード。FRF初期にめっちゃ流行ったボロスアグロは厄介なクリーチャー陣からエンチャントまでこれの射程圏内なのでよく刺さったんじゃ。これがなかったら《前哨地の包囲》に優勝を阻まれていたことだろう。
《龍爪のスーラク》
スペックは高いがやはり色に恵まれなかった。
将来このカラーのクリーチャーデッキにテコ入れが入ればモダンくらいでは見るかもしれないのだがタルキールでできなかったテコ入れをどこでするのだろう? そもそもモダンのこのカラーにはスケープシフトがあるので無理にテコ入れするとやばそう
《完全なる終わり》
強いけどひたすらに重い
《兜砕きのズルゴ》
神話レアfoil実質処女をお前に奪われたの忘れないからな
《悟った達人、ナーセット》
一発殴ると人が死ぬ
《幽霊火の刃》
モダン親和でめっちゃ使った。これをどうやってか装備して果敢に殴りに行く《羽ばたき飛行機械》くんすき。
フェッチランド
モダンかエターナルの基本エキスパンションみたいなの非限定生産で作ってこれ二度とスタンに返さないことってできませんかね、スタンに来てシャッフルまみれになっても困るし来なくて値段上がり続けて偽物まみれになっても困るんですけど。
トライランド
めっちゃつよかった
ゲインランド
実は強かったんだね……
《精霊龍の墓》《精霊龍のるつぼ》
どっちも構築で使われる日が来るとは思わなかった
《アラシンの僧侶》
赤単絶対殺すマン
《城塞の包囲》
気づいたら消えてた
《マルドゥの悲哀狩り》
実はめっちゃ強かった
《見えざるものの熟達》
コントロール強いけど実はカリタスに弱かったりするおちゃめさん
《僧院の導師》
どうぞ下でご自由に活躍なさってください
しかしスタンではアブザンチャームに強いその声質からアブザンアグロの支配に逆らったレジスタンス的なハゲとして活躍した
《魂火の大導師》
彼は《道の探求者》にひどいことをしました
《勇敢な姿勢》
お前は今までに割った《クルフィックスの狩猟者》の数を覚えているか?
《僧院の包囲》
果たして次に見る日は来るだろうか
《奔流の精霊》
忘れてた。シディシウィップのために生まれてきたかのようなカード。数々の勝利をありがとう!
《命運の核心》
foilがめっちゃかっこよくてオジュタイ出してから撃つとめっちゃ強い
《グルマグのアンコウ》
こいつを集めまくってた友達は果たして小金持ちになれるか
《炎跡のフェニックス》
忘れられるかと思いきやアブザンチャームの範囲外だったことと《雷破の執政》や《嵐の憤怒、コラガン》との相性の良さにより奇跡の復活を果たす
《前哨地の包囲》
多分これからもきっとモダンで活躍してくれることでしょう。さようならチャンドラ
《乱撃斬》
You’re Shock!
《開拓地の包囲》
EDHに入れ替えよう
《荒野の地図作成》
お前が構築でプレイアブルなカードになる日が来るなんて
《巫師の天啓》
EDHでいっぱい引こうな
《ティムールの剣歯虎》
そういえば全然活躍しなかった《ティムールの隆盛》で無限コンボしてたね君
《荒野の囁く者》
もう君くらいの強さのマナクリすら僕らには許されないのかもしれない
《囁きの森の精霊》
忘れてた。思い出深いカード。マナクリマナクリから3tに飛び出すアブザン絶対殺すマン。ニクソスか赤マナがあれば次のターンにはアタルカが出たりする。出て来た予示と一緒にブロックすれば己を犠牲にサイはうち取れるしかと言って放置すれば盤面はどんどんこっちに傾いているしそもそもダメレはサイ連打されなければこっちのもの。コントロール相手も通れば横に広がる上謎に持ってるラス体制のおかげで割とだいたい相手は死ぬ
《嵐の憤怒、コラガン》
めっちゃ強かった
《漂う死、シルムガル》
めっちゃ強かった。アブザン絶対殺すマン
シルムガルだけは1000年前も1000年後も強いね。でもストーリーでは衰えが強調されてたね
《精霊龍、ウギン》
くぅ~疲れました! というわけで最後はこの思い出深いカードで締めます。
彼を最初にプレイしたのは確かモダンの赤緑トロン。この自分より遅いデッキはだいたい殺すけど勝てない相手はホント手も足も出ないクソデッキでスイーパー兼フィニッシャーとして大活躍してくれました。ド鬼畜カーン以上に殺意に溢れてる。
そしてスタンでも赤緑信心の文字通り切り札として、BFZ後は性質上一回流さないとほんとどうしようもないランプデッキの主力として大活躍。
彼のおかげでつかみとった勝利は数多く。
どのフォーマットでもコスト7以上のカードがプレイされるデッキってほんとミラーくらいしかないので出さえすればだいたいすべてが吹き飛ぶそしてミシュラランドに殴られる。
とはいえエルドラージは無色なので吹き飛ばせない。彼がエルドラージを吹き飛ばすことができればこの多元宇宙の歴史も変わったかもしれない。この呼び出すだけで8マナかかる旧世代の龍のおっさんですら吹き飛ばせない巨人2体を実体化して動きを封じただけで同時に焼き殺したチャンドラは、ゼンディカーの莫大なマナをほぼ好き放題使いまくったからとはいえ実はとんでもないやつなのかもしれない。
というわけでこの1万字以上の長文にお付き合いいただきありがとうございました。ちょっとストーリーについて熱く語りすぎたね。
僕がそもそもこのマジック:ザ・ギャザリングとかいう1年で2回引退してもやめられないやばいゲームを始めたのはテーロスと神々の軍勢のちょうど真ん中あたりなので、つまりこのタルキールブロックは最初から最後までマジックやってた初のブロックなわけですね。
マジック最大の悪役の一人、強大なる龍のプレインズウォーカー、ニコル・ボーラスに付き従うプレインズウォーカーの一人として、アラーラ・ブロックで登場したサルカン・ヴォル。ドラゴンに心酔する彼の故郷であったこの次元は、龍を滅ぼした人間が5つの氏族に分かれ、終わりのない戦いに明け暮れる次元でした。
・《先頭に立つもの、アナフェンザ》率いるアブザン家
・《血の暴君、シディシ》が支配するスゥルタイ群
・《龍爪のスーラク》のもと厳しい雪山での生活を続けるティムール境
・《悟った達人、ナーセット》のもとに集い修行を続けるジェスカイ道
そして《鐘突きのズルゴ》……じゃなかった、《兜砕きのズルゴ》が率いるマルドゥ族。
以上5つの氏族は、いずれもスタンダードで活躍しました……したんだ、うん。BFZブロックの参入による行き過ぎた多色化と除去の弱体化であやうく《はじける破滅》貸出専門店になりかけたマルドゥと、草の根レベルではそこそこいたけどプレミア・イベントの上位にほとんど現れなかったためにとうとう公式4コマにまでいないもの扱いされたティムールの話はやめよう。正直改めて5人並べるとズルゴくんのどうしようもなさばっか目立つけど、スーラクも値段は大差ないし再編された後のほうがトーナメントで活躍したところまで一緒だな! つか鐘つきに落ちたズルゴくん確か2連続プロツアー優勝デッキに入ってたな! なんだズルゴくんのがすごいじゃん!
……でもマジックストーリー初心者にマジックのストーリーの素晴らしさを伝えるのに最適な掌編のひとつ、あのクソコラ素材《熊パンチ》に隠された涙なしには語れない物語の主人公であるスーラクに比べると、ズルゴくんはストーリーでもわがまま勝手でカンの座を引きずり降ろされた挙句女に手を上げる情けないやつだったのでやっぱりマイナス一億万点。
というわけでこのまま勢いでストーリーについて語りましょう。
先ほど5人のカンを同列に紹介しましたが、実は《悟った達人、ナーセット》、鐘突き……じゃなかった《兜砕きのズルゴ》の二人と他の三人にはストーリー上大きな立ち位置の差があります。
前半の二人はサルカンと何らかの形で絡みますが、残りの三人はサルカンとは一切絡みません。絡みませんが、彼らの物語もまた、それぞれの氏族の、そして彼らのあり方を示すものとなっています。
「家族」を重んじるアブザン家のカンとして、個人的にも家族とは血のつながりなのか、それとも別の何かなのかという問題に直面することになるアナフェンザ。
一人前の男になるには一匹の熊を一人で狩ることを要求されるティムールの世界で育ったスーラクが出会った、種族を超えた友情物語。
そしてこれからの運命を暗示するかのようにマルドゥ家のゴブリンに冠を盗まれ、その奪還に躍起になるも結局叶わかったシディシ。
サルカンの物語=メインストーリーには彼らはほとんど絡みませんが、いずれも一族の長たるものに相応しい濃いものでした。
はい、というわけでサルカンの話に戻りましょう。サルカンの話の起点、つまり彼が《苦しめる声》を聞くようになり、龍のいない故郷・タルキールの帰ってきた理由は、実はゼンディカー・ブロックの物語にあります。彼はゼンディカーで、ニコル・ボーラスの命令によりエルドラージの封印に関わる重要場所である《ウギンの目》を警護することになります。そう、「ウギン」の目です。この地点では当然ウギンは亡き者なわけですが、あるいはこの場所にはウギンの残留意思のようなものがあったのでしょうか、タルキールの出身である彼はこの場所に関わったことにより、ウギン、あるいは滅びに向かうタルキールの救いを求める声を聞くようになります。
そして故郷のタルキールに帰ってきたまではよかったのですが、当然手がかりなんてものはろくになく、途方に暮れてしまう彼でしたが、《悟った達人、ナーセット》との出会いにより急展開を迎えます。 ジェスカイ道の保管する古文書からこのタルキールという次元の歴史、そしてプレインズウォーカーの存在をも知っていた彼女との出会いにより、サルカンはこの次元の特異点《精霊龍の墓》へと導かれます。しかしそこにかつてサルカンの灯が目覚めた際に復讐に燃える《兜砕きのズルゴ》が登場、心身ボロボロで戦いようのないナーセットがこれを引き受け戦うも、力及ばず殴り殺されてしまいます。その光景に後ろ髪を引かれながらも、サルカンは次元の歪みへと飛び込みます。
――するとどうでしょう、その先はなんと1000年前のタルキール。まだ人と龍が争っていた時代です。そこでサルカンは見覚えのあるマークを雪山につけて回る当時のティムールのカン、《龍爪のヤソヴァ》に出会います。ヤソヴァの不興を買って死にかけたりしていたサルカンですが、そんなことは気にもせず始まる《精霊龍、ウギン》と《ニコル・ボーラス》の戦い。当然のようにこの次元の「龍の嵐」から生まれる龍たちを味方につけるウギンの優勢で戦いは始まりますが、ボーラスには秘策がありました。それはあのヤソヴァのつけて回っていたマーク――サルカンにとっては忘れもしない、ボーラスのマークでした。その力で龍たちを味方につけたボーラスは、ついにウギンを打ち倒してしまいます。このままでは死んでしまうであろうウギン――実際、元の歴史ではこのときの傷がもとで死んでいます――を、ボーラスにウギンがいなくなればお前たちは龍の脅威から逃れられると唆されたヤソヴァが止めるのも聞かず、サルカンは必死に介護し、なんとかウギンが回復するための繭を作ることに成功します。そしてこのときサルカンは自分の名前の意味を知ることになります。自分の名前、サル・カンが、カンの上に立つカン、「大いなるカン」という意味を持つことを。しかし彼は歴史を改変したことによってタイム・パラドックスの渦に巻き込まれ消滅します。
しかし、こうしてウギンが永い眠りにつきながらも生存し、龍を生み出す嵐が途絶えることのなかった1000年前のタルキールでは、龍が人を滅ぼしかねないほどの勢いで増え続けることになり、やがて人の氏族は滅びます。スゥルタイのカン、《黄金牙、タシグル》はカードでの圧倒的な活躍とは裏腹に若さゆえの傲慢さによりナーガたちの罠にかかり、《漂う死、シルムガル》の玩具に。アブザンのカン、《不屈のダガタール》はその名前とは裏腹に一番最初に龍に膝を屈し、《永遠のドロモカ》の嫌うアブザンの黒の要素をなすもの=先祖との霊的つながりを捨て、人と龍の共存の礎に。この影響で人間たちは氏族の垣根を超え結束しようとしますが、そのための会議に《黄金牙、タシグル》が《冬魂のオジュタイ》を呼んでしまったことによりジェスカイのカン《沈黙の大嵐、シュー・ユン》は氏族の歴史や伝統が隠された書物庫の鍵を密かに部下に託しながら、それを嫌うオジュタイに見せしめに殺されることになります。やがて《龍爪のヤソヴァ》率いるティムールはタルキール一の大食らい《世界を溶かすもの、アタルカ》のために狩りをする一団となり、マルドゥは《死に微笑むもの、アリーシャ》ではなく《嵐の憤怒、コラガン》について世界を戦いとともに駆け巡るように。コラガンが膝を屈することではなく「ただ、後ろについてくる」ことを求めているのだということに気づいたアリーシャの「私についてくるか、こないかだ」という台詞はとても印象的でしたね。
はてさてこうして人ではなく、龍が支配するように歴史が改変されたことにより、タルキールには龍と活気が戻ったのでした、めでたしめでたし――というのが今回スタン落ちする2エキスパンション、「タルキール覇王譚」「運命再編」分のストーリーのあらすじです。そう、こうしてみると、3エキスパンション1ブロック制から2エキスパンション1ブロック制の橋渡しをストーリーでも表現するために、改変される前のタルキールの歴史が描かれたエキスパンション「だけ」が今回スタン落ちすることがよくわかるわけです。美しい構造ですね。まあ長くなってきたしサルカンまさかの生存とプレインズウォーカーになったナーセットとの感動の再会は半年後にとっておこう。
ちなみにサルカンがタルキールの歴史を改変した影響はタルキールだけにとどまらず、チャンドラの過去は結婚式をぶっ壊すおてんば娘から両親《ピア・ナラーとキラン・ナラー》に愛されるも自身の特異な能力ゆえに迫害され両親を殺される悲劇のヒロインとなり、ニッサに至ってはゼンディカー、あるいはそこに住むエルフの幸せ「だけ」を考えるレイシストから、多元宇宙のあらゆる生命の守護者となることを誓う慈愛に満ちた精霊術師になります(最近気づいたんだけどBFZブロックのストーリーのキオーラのわがまま勝手な立ち回り、これ前のゼンディカーブロックの時のニッサだ)。あとリリアナがビッチじゃなくなりました。
脱線しかけましたが、そろそろカードの話をします。ギャラリーを見ながら、思い出深いカードの名前と、その思い出を上げていきましょう。
《爪鳴らしの神秘家》
登場時こそ《森の女人像》の影に隠れあまり活躍しませんでしたが、《死霧の猛禽》が登場したことで裏向きで出せるカードの役割が増えたこともあり、タルキール龍紀伝の登場後は、地味にパワー2とマナがフラッド気味になったあとに殴りに行きやすい数値だったこともあいまって赤緑ドラゴン、そして《旅するサテュロス》より安定して高マナ域へのジャンプがしやすく、また不足しがちな赤マナが出ることから赤緑信心で活躍し始めました。どっちかというと地味な方のこのカードを最初に持ってくることからわかるとおり、この辺は筆者の大好きで思い出深いデッキですね。テーロスのスタン落ち後はたまに登場するかしないかでしたが、最後には裏向きで出せることによって《反射魔道士》に強いマナ・クリーチャーとしてランプデッキを支えています。変異からのジャンプというロマンと2ターン目に出せ3色が供給できる安定感、そしてフレーバーが共存した良いカードでした。マナクリかくあるべし。あと実はイラストが可愛い
《血の暴君、シディシ》
なんつってもそりゃゲームデーとはいえSE(決勝トーナメント)ある大会で初めて優勝したデッキの主力ですからね。思い出深いに決まってますよ。4マナ多色にして3/3というスペックは一見パンチ不足にも見えますが、もちろんその能力は協力。召喚時と攻撃時に3枚のカードをデッキから墓地に落とすことが出来るだけでなく、ライブラリーから墓地にクリーチャー・カードが落ちた場合(なんと他のカードの効果でも!)2/2のゾンビ・トークンを召喚します。これにより高い盤面制圧力を持つだけでなく、探査や《エレボスの鞭》のサポートまでやってのけたり、十分なマナが確保できたあとの《サテュロスの道探し》君に仕事を与えてくれたりします。暴君という割に慈悲深いお方ですね。《黄金牙、タシグル》との1000年の時を超えたシナジーは思い出深い。
《黄金牙、タシグル》
というわけで次は彼です。プレイヤーには横のバナナを散々ネタにされ、ストーリーでは情けなさに情けなさを上塗りするダメダメっぷりを披露したあげく《漂う死、シルムガル》のペットから《龍王シルムガル》のネックレスになるなどネタには困らないキャラだった彼でしたが、それとは裏腹に発売直後にモダンで行われたプロツアー「運命再編」では大活躍。《包囲サイ》の登場によってトップメタとなった「アブザン」で衰微でも稲妻でも落ちない軽いクロック兼アド源として大活躍する彼の姿には誰もが興奮したでしょう。もちろんスタンダードでもスゥルタイだけでなくアブザンの一員として大活躍。こんな情けない彼ですがあの《包囲サイ》にも負けません。一体どうなってやがる。
《包囲サイ》
というわけでタルキールブロックで最も印象深かったカードに挙げる人も多いであろうこのアブザンの軍獣が満を持して登場です。いい機会なのでもう一度スペックを見返してみましょう。
(1)(緑)(白)(黒)
クリーチャー ― サイ
トランプル
包囲サイが戦場に出たとき、各対戦相手はそれぞれ3点のライフを失い、あなたは3点のライフを得る。
4/5
うーん、改めて見るとやっぱりシンプルなテキストですね。テキストの短いカードは強い!
緑の要素=トランプルと高いマナレシオ
白の要素=ライフ回復
黒の要素=ライフルーズ
という3色の強い部分をみっちり吸収し、ライフ関連に至ってはCIPという最も効率のよい方法で発揮できるようになった結果、考えれば考えるほど頭のおかしいカードが誕生しました。アグロには壁として立ちはだかったあげく回復までし、ミッドレンジにはライフレースを否定することで絶対的な対処を要求し、コントロールはライフを3点までライフを詰められないプレイ・あるいは詰められた後は打ち消しを強要する。その高すぎるスペックはモダンでも遺憾なく発揮され、「何でもできるが決め手にかける」ドランカラー――アブザンが登場するまでのよく使われていた緑白黒の三色の呼び名です――のデッキを「アブザン」「BGW」としてトップメタに押し上げ、相性のあまりにも良すぎた《出産の殻》を《宝船の巡航》《時を越えた探索》というタルキールブロック2大やらかしとともに禁止に追い込みました。もちろんスタンダードでこんな強いカードが活躍しないわけがありません。最初のプロツアー「タルキール覇王譚」に「アブザンミッドレンジ」「アブザンアグロ」というその後ほぼ一年半ずっと居座り続ける2つのアーキタイプに当然のように4投され、《カマキリの乗り手》やその他軟弱なクリーチャー共を踏み潰して王座を手にし、その後の「運命再編」では残念ながら《欠片の双子》に阻まれ優勝は叶いませんでしたがこの軍獣を駆ったプレイヤーの成績は全体で見れば十分すぎるものであり、環境が様変わりしたかと思われたプロツアー「タルキール龍紀伝」「マジック・オリジン」TOP8にもやっぱりいました。ちょうどこのカードが活躍した頃に結果を残し始めた市川ユウキプロや山本健太郎プロ、そしてプロツアー「戦乱のゼンディカー」で久々の日本人プロツアーチャンプとなった滝村和幸プロといった日本人プロ・プレイヤーの愛用するカードでもありました。他にも津村健志プロや高橋優太プロなど、このカードとともに栄光を勝ち取った日本人プロ・プレイヤーを挙げればきりがありません。というか登場後のプロツアーではプロツアー「エルドラージの冬」……じゃなかった、「ゲートウォッチの誓い」以外全部でこのサイを4投したデッキがTOP8に入賞してますね。すごい。
筆者も強いリアニ先として投入する向きもあったシディシウィップでこそ使わなかったものの、マナクリスタートのデッキがほぼ成立しなくなった後のBFZスタンでは大変お世話になりました。こいつのおかげで勝ったり負けたりした回数は数えきれません。主に負けた回数ですが。
しかしそんな強すぎる彼もスタン落ちに逆らうことは許されません。しかしこれからもモダンを踏み荒らす……ことももうないのかもしれないなあ。モダンどうなっちゃうんだろうなあ。
と、脱線しかけたところで最後にこのサイにつけられたフレーバー・テキストを書き記して締めとしましょう。
アブザンの軍獣が到来するだけで、敵は統制を乱して逃走を開始する。
《先頭に立つもの、アナフェンザ》と《ラクシャーサの死与え》《始まりの木の管理人》《アブザンの魔除け》といったアブザン・アグロのゆかいな仲間たち
アナフェンザ。3マナ4/4とかいう包囲サイもびっくりのマナレシオに何を思ったのかマローは味方をパンプする能力と墓地対のテキストをくっつけた。カンの中で唯一一年半通して使われた。つよい。
死与え。《森の女人像》《クルフィックスの狩猟者》を乗り越えることが課題だったタルキール初期の環境でそれらを乗り越えられる2マナクリーチャーとして活躍した。でも彼の活躍は実は《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》に支えられていたんだ……
管理人。《羊毛鬣のライオン》の後釜は他でもないこいつだった。1マナであることや、最終的には無限に大きくなることからTHS~FRFの頃からアブザンアグロ特有のタップインタップインスタートの問題や除去の少ないクリーチャーデッキに対する回答の一つとして活躍していた。そのあとBFZで安定性とアンタップインを両立した強すぎる土地基盤を手に入れ、1t管理人2tパンプ3tアナフェンザ4t包囲サイというクソゲーを生み出した。
アブザンチャーム。緑の能力は自由な2個の+1カウンター割り振り、白の能力はパワー3以上のクリーチャーの追放、黒の能力は《血の署名》。基本は除去として運用し、コントロール相手にはインスタントのドローとして運用し、それらと同時にコンバットトリックや引導火力にもなる。びっくりするほど無駄がない。無駄しかない《ティムールの魔除け》に謝れ。BFZ後は残った数少ないインスタントの超強い除去として《はじける破滅》とともにいろんなところで活躍してましたね。このカード(緑白黒)が《ゴブリンの闇住まい》(赤ダブシン)で再利用されるスタンダードってなんだったんだ。
《宝船の巡航》《時を越えた探索》
はい、というわけでここで青いカードが初登場、タルキールブロック最高のやらかしカード2枚です! ぱちぱち。
墓地は使い終わったカードを置く場所です、コストにしてはいけません。
これらカードがあった頃のモダンは実は一番多様性に富んだ時期だったので、僕は今のエルドラージしかいない環境に比べりゃ全然嫌いじゃなかったというかGP神戸2014と並んで一番思い出深い時期の一つですがこいつらが使えた唯一のプロプレイヤー中心のモダンをプレイするイベントであった2014年末の世界選手権はほぼ青赤系のデッキしかいなくて販促のためのショービズとしては最低だったので残念ながら禁止は妥当ですし二度と帰ってくることはないでしょう。レガシーでは《時を越えた探索》だけは許されたかと思いきやあっさり禁止になりました。多分この2枚を競技イベントでプレイすることは二度とないでしょう。
スタンダードではそんなすごい勢いで墓地が肥えないため引き過ぎた途端にゴミ2枚抱えて死ぬ運命が確定したりするのでまあ適切なバランスだったと思います。でも《ヴリンの神童、ジェイス》との相性はすごかったね。土壇場でコントロールやジェスカイが放つ《時を越えた探索》から飛んで来るフィニッシャーや引導火力にはみんな負けに負けに負けまくったことでしょう。
《残忍な切断》
きっともうこんな裏目が少なくて軽いインスタント除去はもう刷られないことでしょう。タルキールブロックで間違いなく一番使われた除去です。クリーチャーデッキばっか握ってますが実はマジックの一番の楽しみはインスタントをめぐる駆け引きだと思ってるのでインスタントの除去や火力が弱くなるのはとっても悲しい。
《消去》
お前に《クルフィックスの狩猟者》を追放されまくったことは忘れない。
《道の探求者》
ハゲ。《魂火の大導師》登場後は少しずつそっちに居場所を譲っていたけどすごく強かったハゲ。
ドヤ顔でおまえを《クルフィックスの狩猟者》でブロックして《マグマの噴流》撃たれて真顔になったあの日のことは忘れない。
《風番いのロック》
強襲で出た瞬間勝利をだいたい約束してくれるビッグ・バード。気がついたら値下がりしまくってたけどOGW後のスタンでは飛んでることが絶対正義だったので最後に大活躍しました。
《軽蔑的な一撃》
お前は今まで打ち消した《龍王アタルカ》と《精霊龍、ウギン》と《嵐の息吹のドラゴン》と《世界を喰らう者、ポルクラノス》の数を覚えているか?
構えやすく効果は劇的、しかし裏目も多いと、良い打ち消しでした。《マナ漏出》の下位互換みたいなもんだって話が出た時はたしかにって思ったけど。
《隠道の神秘家》
突然のリミテッド思い出枠。このめり込みハゲで獲ったゲームは数知れず(リミテッド限定
《頑固な否認》
グルールをティムールにする数少ない理由の一つでしたが最終的にエルドラージやアブザンに便利に使われてました。これからもモダンのサイドボードで《呪文貫き》枠を争うことでしょう。残念ながら僕はピアス派です。
《血に染まりし勇者》
アリストクラーーーーッツ!!! ウォーリアー!!!!
墓地利用要素のある戦士で色々居場所はあったけど《包囲サイ》《先頭に立つもの、アナフェンザ》《先祖の結集》には勝てなかったね。
《先祖の結集》《不気味な腸卜師》
やっぱりラリ―が板。良いデッキでした。
果たして《先祖の結集》はモダンの墓地メタの波を乗り越えられるか!?
《弧状の稲妻》
このカードを勘違いしてインスタントタイミングで撃ちこんだらソーサリーだと指摘されたことにより「使いやすく複数を殺しやすいカードは大体ソーサリー」マジックの原則を覚えました。
《火口の爪》
数少ないサイを焼ける火力。もちろん本体だって焼けちゃいます☆
《軍族童の突発》
実は龍紀伝の頃すごくアタルカレッドを愛用してた時期があったしゴブリンでBMO出たりもしたので結構思い出深いカード。もちろん殺された回数も数知れず。
《僧院の速槍》
あー忘れてた。《宝船の巡航》とともにモダンレガシーに颯爽と殴りこみをかけ、古いカードのテキストを覚えるのに必死な彼らにタルキールブロックで新登場した「果敢」というテキストを叩き込んだでであろうカード。
まず速攻。とりあえず出たターン1点。タフネスが2あるのもおかしい。
そしてオリジンで常盤木の仲間入りを果たした果敢。勢い良く本体に《稲妻》を叩きこめば彼女のパワーも上がり、《アタルカの命令》を撃てばその効果は倍。最後には《無謀な奇襲隊》との相性も特筆すべきものがありましたがいかんせん環境が悪すぎた。
しかしこれからも第二のデルバーとして、あるいは第二のゴブリンガイドとして、モダンやレガシーを先1フェッチ山から元気に走り回る彼女の姿が見られることでしょう。
《龍語りのサルカン》
主人公ですがカードとして残念ながら私は《嵐の息吹のドラゴン》派でした。手札でもドラゴンになれたらなあ。
でもまあ、4点飛ばす選択肢があるのは強かったです。サイはしね
あとこれ以上弱いプレインズウォーカーの奥義って多分未来永劫出ないと思う。だってティボルトより弱いんだぜ
《苦しめる声》
《僧院の速槍》さえなければタルキールブロック一番の赤の収穫だったかもしれない。赤いコンボデッキでドローを進められるのは強い。
これでもかというほど再録されてるのでスタンモダン問わずきっとこれからも赤いコンボデッキでちょこちょこ見ることになるでしょう。
《強大化》《ティムールの激闘》
つよい。探査すごい。スーパークレイジーズ―。
《部族養い》
バーン絶対殺すマン。下での活躍のが印象的
《硬化した鱗》
つよい。こいつが落ちることで実質的にお亡くなりになられるカード多数。
《荒野の後継者》
初期のアブザンアグロとBFZアブザンアグロにたまに混じってた凡人。グルールでも優秀なアタッカーだった。
そういえば2マナ3/3の狼男、こいつによく似てるな。
《わめき騒ぐマンドリル》
タルモ、デルバー、「マン」ドリル。これが新時代のモダン版「カナディアン・スレッショルド」
出産の殻でサクるとエリシュ・ノーンを出すことができるぞ。
《書かれざるものの視認》
3000円位無駄にした。
《グドゥルの嫌悪者》
リミテッドではめっちゃ好きだった
《軍族の解体者》
一体何が悪かったんだろうね。
《刃の隊長》《鱗の隊長》
戦士デッキって結局何が足りなかったんだ
《はじける破滅》
最後に一応マルドゥで使われてよかったね。
《死の激情》
リミテしてたら《恐ろしい徴兵》で相手の場に10体くらいクリーチャー並んだけどたまたま握ってたこれで勝った
《砂塵破》
リミテッドで強かった
初期アブザンミッドレンジのサイドにも不毛な戦いを終わらせるために入ってましたね
《ジェスカイの隆盛》
実はめっちゃ強かった。クリーチャー起こしながらパンプしてルーターってマナクリからマナ出してドロー撃つことを繰り返すには本当に本当に無駄のないテキストだ。しかもパンプするから勝てるし。
《ジェスカイの魔除け》《カマキリの乗り手》
無駄がない、強い
《死者の王、ケルゥ》
無駄しかない、サイクル中唯一の紙切れって恥ずかしくないの?
《凶暴な拳刃》
通称バイオゴリラ。スペックはやっぱり強い。だが赤青緑という3色なのにこの環境通してずっと除去が弱かった最低のカラーに生まれたのが彼の運の尽きだった。除去が弱いデッキはテンポで押しこむしかないのにタップインしてたら相手の対処が間に合って負けるんじゃ
《スゥルタイの魔除け》
忘れてた。これも実は思い出深いカード。FRF初期にめっちゃ流行ったボロスアグロは厄介なクリーチャー陣からエンチャントまでこれの射程圏内なのでよく刺さったんじゃ。これがなかったら《前哨地の包囲》に優勝を阻まれていたことだろう。
《龍爪のスーラク》
スペックは高いがやはり色に恵まれなかった。
将来このカラーのクリーチャーデッキにテコ入れが入ればモダンくらいでは見るかもしれないのだがタルキールでできなかったテコ入れをどこでするのだろう? そもそもモダンのこのカラーにはスケープシフトがあるので無理にテコ入れするとやばそう
《完全なる終わり》
強いけどひたすらに重い
《兜砕きのズルゴ》
神話レアfoil実質処女をお前に奪われたの忘れないからな
《悟った達人、ナーセット》
一発殴ると人が死ぬ
《幽霊火の刃》
モダン親和でめっちゃ使った。これをどうやってか装備して果敢に殴りに行く《羽ばたき飛行機械》くんすき。
フェッチランド
モダンかエターナルの基本エキスパンションみたいなの非限定生産で作ってこれ二度とスタンに返さないことってできませんかね、スタンに来てシャッフルまみれになっても困るし来なくて値段上がり続けて偽物まみれになっても困るんですけど。
トライランド
めっちゃつよかった
ゲインランド
実は強かったんだね……
《精霊龍の墓》《精霊龍のるつぼ》
どっちも構築で使われる日が来るとは思わなかった
《アラシンの僧侶》
赤単絶対殺すマン
《城塞の包囲》
気づいたら消えてた
《マルドゥの悲哀狩り》
実はめっちゃ強かった
《見えざるものの熟達》
コントロール強いけど実はカリタスに弱かったりするおちゃめさん
《僧院の導師》
どうぞ下でご自由に活躍なさってください
しかしスタンではアブザンチャームに強いその声質からアブザンアグロの支配に逆らったレジスタンス的なハゲとして活躍した
《魂火の大導師》
彼は《道の探求者》にひどいことをしました
《勇敢な姿勢》
お前は今までに割った《クルフィックスの狩猟者》の数を覚えているか?
《僧院の包囲》
果たして次に見る日は来るだろうか
《奔流の精霊》
忘れてた。シディシウィップのために生まれてきたかのようなカード。数々の勝利をありがとう!
《命運の核心》
foilがめっちゃかっこよくてオジュタイ出してから撃つとめっちゃ強い
《グルマグのアンコウ》
こいつを集めまくってた友達は果たして小金持ちになれるか
《炎跡のフェニックス》
忘れられるかと思いきやアブザンチャームの範囲外だったことと《雷破の執政》や《嵐の憤怒、コラガン》との相性の良さにより奇跡の復活を果たす
《前哨地の包囲》
多分これからもきっとモダンで活躍してくれることでしょう。さようならチャンドラ
《乱撃斬》
You’re Shock!
《開拓地の包囲》
EDHに入れ替えよう
《荒野の地図作成》
お前が構築でプレイアブルなカードになる日が来るなんて
《巫師の天啓》
EDHでいっぱい引こうな
《ティムールの剣歯虎》
そういえば全然活躍しなかった《ティムールの隆盛》で無限コンボしてたね君
《荒野の囁く者》
もう君くらいの強さのマナクリすら僕らには許されないのかもしれない
《囁きの森の精霊》
忘れてた。思い出深いカード。マナクリマナクリから3tに飛び出すアブザン絶対殺すマン。ニクソスか赤マナがあれば次のターンにはアタルカが出たりする。出て来た予示と一緒にブロックすれば己を犠牲にサイはうち取れるしかと言って放置すれば盤面はどんどんこっちに傾いているしそもそもダメレはサイ連打されなければこっちのもの。コントロール相手も通れば横に広がる上謎に持ってるラス体制のおかげで割とだいたい相手は死ぬ
《嵐の憤怒、コラガン》
めっちゃ強かった
《漂う死、シルムガル》
めっちゃ強かった。アブザン絶対殺すマン
シルムガルだけは1000年前も1000年後も強いね。でもストーリーでは衰えが強調されてたね
《精霊龍、ウギン》
くぅ~疲れました! というわけで最後はこの思い出深いカードで締めます。
彼を最初にプレイしたのは確かモダンの赤緑トロン。この自分より遅いデッキはだいたい殺すけど勝てない相手はホント手も足も出ないクソデッキでスイーパー兼フィニッシャーとして大活躍してくれました。ド鬼畜カーン以上に殺意に溢れてる。
そしてスタンでも赤緑信心の文字通り切り札として、BFZ後は性質上一回流さないとほんとどうしようもないランプデッキの主力として大活躍。
彼のおかげでつかみとった勝利は数多く。
どのフォーマットでもコスト7以上のカードがプレイされるデッキってほんとミラーくらいしかないので出さえすればだいたいすべてが吹き飛ぶそしてミシュラランドに殴られる。
とはいえエルドラージは無色なので吹き飛ばせない。彼がエルドラージを吹き飛ばすことができればこの多元宇宙の歴史も変わったかもしれない。この呼び出すだけで8マナかかる旧世代の龍のおっさんですら吹き飛ばせない巨人2体を実体化して動きを封じただけで同時に焼き殺したチャンドラは、ゼンディカーの莫大なマナをほぼ好き放題使いまくったからとはいえ実はとんでもないやつなのかもしれない。
というわけでこの1万字以上の長文にお付き合いいただきありがとうございました。ちょっとストーリーについて熱く語りすぎたね。
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